遅延利息の計算の仕方が分からないのですが、どうすればいいのでしょうか?
次のような事例を考えてみましょう。
私は、100万円を友人から借りましたが、その際、利息と遅延損害金(遅延利息)を年15%とし、1年後を返済期限とする約束をしました。
しかし、1年後には手元に余裕がなかったので10万円しか返済できませんでした。
そして、2年後には何とか60万円を返済しました。
私は、合計で70万円を返済したことになりますがあといくら返せばよいのでしょうか。
詳しい内訳とともに教えて下さい。
元本と利息では利息、元本の順に充当します。
まず、1年後の返済期について検討します。
このとき、本来ならば、元金の100万円と利息の15万円の合計115万円の支払がなされなければなりませんでした。
ところが、実際に支払われたのは、10万円ですから、それに不足しています。
そこで、その10万円を元本と利息のどちらの支払とするかが問題となります。
この点については、まず利息から充当します。
したがって、利息が5万円残り、元金は100万円全額が残りました。
次に、2年後に60万円を支払ったときの、あなたの支払うべき金額を確定します。
まず、元本100万円全額、そして利息の残額5万円は1年前と同じです。
ところが、本件では、さらに遅延利息が発生します。
お金の貸し借りでは、支払期限を経過した後、法定利率(年5%)と約定利率の高い方の遅延利息が発生するのです。
そうすると、本件では、15%がその利率となりますから、遅延利息として15万円が加算されます。
そこで、2年目の債務額は元本100万円、利息残額5万円、遅延利息15万円、となります。その充当の順序ですが、(1)利息、(2)遅延利息、(3)元本という順になります。
そうすると、利息と遅延利息で20万円充当され、残りの40万円が元本に充当されます。
結局、元本が60万円残っており、これが返済すべき金額となります。