再生計画が認可されない場合はあるのでしょうか?
次のような事例を考えてみましょう。
小規模個人再生制度の手続を進めようかと思い、手続を調べていたのですが、小規模個人再生を進めるには再生計画案が認可されなければならないとのことでした。
この計画案が認可されないことはないのでしょうか。
また、もし認可されなかった場合、手続はどうなるのでしょうか。
債権者の決議で否決されたり不認可事由に該当すると認可されないことがあります。
結論からお話ししますと、計画案が認可されない、ということはあり得ます。
この場合には、再生手続は廃止となります。
小規模個人再生という手続は、個人で商売をしている場合のように、継続的または反復的に収入を得る見込みがあって、債務総額が5,000万円を超えない個人が利用できる手続です。
小規模個人再生では、3年間(特別な事情があれば5年間)で弁済するのが原則です。
再生計画の認可決定には、債権者の書面による決議が必要になります。
この決議で否決された場合、認可はされません。
結果として、再生手続は廃止となります。
再生手続が廃止となった場合、もう一度再生手続をしたい場合はすべて最初からやり直さなければなりません。
再生計画案が債権者によって可決されると、裁判所は、再生計画案を認可するか、認可しないかの判断を行うことになります。
裁判所が認可決定を出し、それが確定してはじめて再生計画は効力をもつことになります。
再生計画の認可または不認可に対しては、債務者、債権者は即時抗告(裁判所の決定などに対する不服申立て)をすることができます。
再生計画案が債権者によって可決された場合、裁判所は、原則として再生計画案の認可決定をしなければなりません。
ただ、法律で定められた不認可事由がある場合は不認可決定を出します。
通常は、最低弁済額や清算価値保障に注意して再生計画案を提出したのであれば、手続中に、将来において継続的にまたは反復して収入を得られそうにないことが判明しない限り、認可決定が出される可能性は高いといえるでしょう。
なお、給与所得者等再生の場合、小規模個人再生の場合と同様の不認可事由に加えて、いくつか固有の不認可事由が規定されています。
たとえば、収入の面で給与所得者等再生を利用できる資格に該当していなかったり、申立ての前7年以内に給与所得者等再生の認可決定が確定していたり、免責決定が確定していたりした場合です。
したがって、あなたに不認可事由がある場合や、債権者の決議が否決された場合には、計画案は認可されずに手続は廃止となります。