冠婚葬祭の減少、新規事業者の参入等の競争激化により経営難で破産 冠婚葬祭業者
ご依頼者;兵庫県内の冠婚葬祭業者
負債総額;約2億円
ご相談・ご依頼のきっかけ
ご依頼者は、冠婚葬祭業を経営していましたが、売上高が下がって、資金繰りが困難となり、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所の活動
ご依頼者より、事業内容、経営状況等を聴取しました。
会社の決算書を併せて検討した結果、近年の冠婚葬祭の減少、新規事業者の参入による競争激化により売上は著しく下がっており、今後、売上が維持、上昇する見込みが少なく、約2億円の債務の返済が困難な状況でした。
そこで、ご依頼者と相談した結果、これ以上会社を経営していくことはできない、会社及び個人の債務の返済をすることはできないとのご判断に至り、破産を選択することになりました。
当事務所が受任し、金融機関、買掛先等に対して受任通知を発送しました。
これにより、債権者より、ご依頼者に対する直接の取り立て、督促は止まりました。
ご依頼者は、日々の資金繰りに追われることから解放され、精神的に落ち着きました。
本件は、冠婚葬祭を既に予約していた顧客が多数いたので、弁護士より顧客に対して破産に至る経緯、手続きの流れ等の説明を行いました。
また、式場には、冠婚葬祭に関連する多数の物品が置かれたままでした。
そこで、式場として賃借していた物件内を整理して、リース物件を返還し、賃貸人と原状回復に関して交渉を行い、賃貸人に明渡しをしました。
さらに、ご依頼者は、当初、破産の費用を捻出できるかどうか心配されていましたが、弁護士のアドバイスにより、売掛債権の回収、物品の売却等により、資金を作り出し、破産の費用に一部、充てることができました。
そして、会社と代表者個人の破産申立てを行い、無事、破産手続を終えることができました。
当事務所による解決のポイント
ご依頼者が、弁護士に破産手続を任せることにより、債権者より直接の連絡を受けることがなくなり、以後、安心して生活再建のための準備を行うことができました。
さらに、賃借していた物件の明渡しに際し、式場の備品も業者より見積もりの取得をして処分をするなど、迅速に進めることができました。
破産申立てでは、資金のない状況で、予納金等の破産費用の確保に苦労することがよくあります。
本件では、弁護士のアドバイスにより、未回収となっていた売掛金を回収することができ、予納金等の破産費用に一部、充てることができました。